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25)スマホの見過ぎ

●世は大SNS時代

いまや多くの大学生にとって欠かせないものとなっているSNS。大学生協が2023年度に行った「第59回学生生活実態調査」(全国大学生活協同組合連合会, 2024) によると、半数以上の大学生が1日に3時間以上SNSを利用していることがわかります(下図のピンクの網掛け)。また、4時間~6時間以上の長時間にわたってSNSを利用をしている学生の割合は、それぞれ10%を超えています。


〈「第59回学生生活実態調査」(全国大学生活協同組合連合会, 2024) より引用〉



そして、多くの大学生はいくつかのSNSを併用しているようです。現在主流のSNSは軒並み利用率が高いことが分かります。私の周りではInstagram、X、Youtubeはもちろん、最近だとBeRealなんてものが流行っています。もちろん私もいくつかのSNSを併用していますし、ぼーっとしているとすぐに時間が溶けてしまいます……。



●新しい時代にフィットしたSNS……だがしかし

「最近の若者は映画を倍速で見る」なんて話もよく耳にしますよね。若者は何にしてもタイパ (かけた時間に対する効果) を重視している、とも言われます。若者のスタンスとしては、「なんでも良いから短い時間で満足させて」というのが正直な心情なのかもしれません。若者だって忙しい。


このニーズを見事に満たしたのがSNSだったのだと思います。Xには他人の「バズった」投稿が流れてくる「タイムライン」機能があり、YouTubeやInstagramには長くても数十秒程度のいわゆる「short動画」がずっと流れてきます。どんなに短く見積もっても1時間はかかる映画や読書よりも、効率よく満足感を味わえてしまいます。


私を含め、そんなSNSにまんまと魅了されてしまっている大学生ですが、一方で、本や映画、友達と話すなど、じっくりと時間をかけるからこそ得られる満足感というのもあるよなぁと感じます。最近久しぶりに「就活」をテーマにしたミステリー小説を読んだのですが、積み重なった物語途中の違和感が後半に回収されていくのが気持ちよく、数時間かけて一気に読んでしまいました。こういった体験は、「バズった」投稿や1分に満たない動画からは得られない、小説ならではのものだと思います。結局だらだらスマホを見てしまうのなら、たまには本一冊や映画一本、いかがでしょうか。



References



 

〈この記事を書いた人〉

倉谷聡

大阪大学工学部環境・エネルギー工学科2年。スマホのスクリーンタイムが睡眠時間を上回っている。  


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