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44)災害ボランティア 

●被災地で見えた景色

2024年1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」。震災から約3ヶ月が経過した4月に石川県奥能登(主に輪島市)における訪問活動に参加した。被災地の現状として、まだまだ復旧作業は進んでいない。被災状況に関わらず、部分的にでも被害を受けているほとんどの住宅が放置されたままで、避難所や仮設住宅に移動されている方が多い。そのため、訪問活動する中で現地の方とはなかなかお会いできなかった。復旧作業に関しては、まず道路や水道などのインフラを復旧させることが最優先で取り組まれているようで、住宅や施設を片付け・復旧するためにも、クレーン車やダンプトラックなどの工事車両をスムーズに移動させるための道が必要となることから、住宅などの復旧を優先させることには難しさも感じられた。



●現地の方とお話してこそ感じられることがある

今回の訪問活動は、日本コープ共済生活協同組合連合会と地域生協(コープいしかわなど)が連携して取り組んだものだったが、自分にとって何よりも大きかったことが、現地の方々の様子を対話を通して伺えたことである。自分が直接お会いしてお話できたのは約25組だが、お見舞品を受け取っていただけたり、「いつもありがとうございます」や「コープのお弁当はおいしいからお世話になってます」といったフィードバックをくださる方がとても多かった。また、活動報告のために訪問の様子や被害状況を写真撮影することは可能かと確認をする際に、断られたケースが無かったことに驚いた。推測に過ぎないが、現地の方々としては、「心苦しいからそのようなことは辞めて欲しい」という思いよりも、「自分たちの現状をもっと多くの人に知って欲しい」という思いの方が強いのかもしれない。


もちろん、現状に辛い想いを抱いている方々もたくさんいたが、日常生活を支えることに取り組んだり、一人の人間として励ましの言葉を伝えたりするだけでも、現地の方々を元気付けることにつながるのだなと感じた。能登半島が元の状態に戻るまでには、まだまだ全国からの支援と時間が必要だ。さらに多くの方々にこうした活動を知ってもらえるように、さらには活動に取り組んでもらえるようにしていきたい。


ちなみに、全国大学生活協同組合連合会の「防災の心得」には、過去に震災を経験された方々のエピソードや防災として意識するべきことがをまとめられている。ぜひご覧いただきたい。



References



 

〈この記事を書いた人〉

りす

2024年度全国大学生協連全国学生委員および執行役員。大学生協における激甚災害支援や防災に関する取り組みを推進することに注力している。能登半島訪問の経験が2回。

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