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100)どうする!? 就活

●大学院進学を考えだしたあなたへ

就職をするか、大学院に進学 (院進) するか。研究に興味をもった大学生なら、一度は悩む問題かと思います。「研究はやってみたい、でも一度大学院に進んだら就職口がなくなるって聞くし、研究の世界で生き残っていける自信もない……」これを書いている私も、そんな風に悶々と悩んだことがあります。(しかも、巷では院進したら就職は絶望的なんて言われる人文系学問を専攻していました!) 悩みに悩んだ私は、博士課程に上がる前、修士課程在学中に、実際に一般企業への就職活動を行うことで、自分の進路と真剣に格闘することになりました。



●悩んでいる内容を具体化してみる

悩みのタネは大まかに分けて①お金の不安②将来の不安の二つがありました。①お金の不安は、大学院に進学するとして授業料や生活費が賄えるのか? という問題です。これについては、先輩や教員への相談や、奨学金・授業料減免などといった各種の制度を調べることなどによって整理をつけました。大学院にも奨学金や、日本学術振興会の特別研究員制度 (博士課程院生対象) などの様々な制度があります。採択率や、年間に貸与・給付される金額と生活費を照らし合わせるなどして、どの程度やれそうか具体化すると不安も明確になります。また、大学院生という専門性を活かしたアルバイトもあるかもしれませんので、先輩に暮らしの実態を聞き、実現可能性を自分の感覚で測ってみると良いかもしれません。



●あなたの幸せを実現するために

②将来の不安は、大学院に進学してこの先は生きていけるのか? という問題です。これが私にとっては一番大きい問題でした。周囲には一度就職してから研究の世界に戻った院生も少なからずいました。人文系の学問は環境に左右されることも少なく、在野研究者も数多くいます。いきなり博士課程に入るより、職歴をつけた方が良いのではないかと思い始めた修士課程2回生の初め頃、就活で最終面接手前まで行き、恐らく内定が出るだろうと採用担当に言われたあとで、「あなたは後悔しないか?」と聞かれたことを覚えています。私はその時、働く時間は必要ではなく空費であり私の本当の幸せには繋がらない、博士課程に今行かないことは決断ではなく、今後の人生に付きまとう後悔になるだろうと思い、博士課程へ上がることを決めました。



●そう簡単には終わらない人生を生きるあなたへ

ぼんやりとした不安を明瞭にすること。自分にとっての幸せを見つめ直すこと。納得して前へ進むこと。私が決断に使ったのはこの三つ。そして背中を押したのは、「まあ失敗したところでまだやり直せるわ、若いし」の気持ちでした。これを読んだ悩めるあなたの人生に幸溢れることを祈っております。



 

〈この記事を書いた人〉

おキヌ

歴史を研究する博士課程院生。学部4回生のころは将来を案じて落ち込み、修士課程院生のころは大学院生専門の就職サイトを眺めて泣いたりしていましたが、今は博士課程の院生をやりながら専門を活かして働いています。人生なんとかなる。

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